Symphonity「Marco Polo the Metal Soundtrack」


点数…90

チェコのパワーメタルバンド、シンフォニティーの3rdアルバムです。

タイトルからわかるとおり、「東方見聞録」を書いたマルコ・ポーロの旅の様子が綴られていくコンセプト作。日本盤のボーナストラックが「Zipangu」というのもなんとも気が利いた話です。しかもメロスピ曲なのがさらに嬉しいところ。

今作でボーカルが2人とも入れ替わっていますし、それ以外のメンバーもギターのリボ以外は前作から総入れ替え状態です。

ボートラを入れてもアルバム全体で50分に満たないのはいささか短い気もしますが、密度は濃いですね。
先行シングルとなったのが3曲で「Crimson Silk」と「The Plague」はメロスピです。

まず「Crimson Silk」は異国情緒たっぷりのCG合成が見物のPVもあります。ハイトーンを生かした新ボーカルが見事に歌い上げており、徐々に盛り上がっていくサビがアルバムへの期待感を高めていました。コーラスが厚めなのもいいです。
そして「The Plague」ですが個人的に今作では最高です。ズンズンと進んでいくメロスピですが演奏の緊張感がたまりません。ボーカルも荒々しく危機が迫っている状況を歌い上げます。そのまま禍々しくサビに突入するのですが、メロディー運びによってサビ終わりには希望の光が見えてくるようです。このサビは久々に極上のレベルで中毒性がありました。

もう1つのシングル「Dreaming of Home」はバラード曲。ツインボーカルの強みで、情念込めて歌うべきところのハモリを力強く聴かせてくれます。

10分超えの大曲「Mongols」は壮大さと異国情緒が混ざり合うコンセプト作ならではの1曲。後半の7分辺りの独特のメロディーが興味を引きます。

そして忘れてはならないのが「I Found My Way Back Home」です。これも極上のメロスピで、船の上で演奏するPVも作られています。長い旅を経て必ず帰るという決意が歌われており、天を突くようなハイトーンがここでも聴かれます。
冒頭でも書いたボーナストラック「Zipangu」も速いです。スピーディーに展開する曲で笛の音色が印象的。曲の至る所で同じメロディーが繰り返されるので覚えやすいですね。

収録されたメロスピ曲がいずれもハイレベルであるため、満足感のある1枚でした。

特に好きな曲は、
「Crimson Silk」、「The Plague」、「I Found My Way Back Home」、「Zipangu」