
点数…90
Derdianで活躍してきたマルコ・ガラウらで結成されたイタリアのメロディックスピードメタルバンドです。マルコは後にDerdianを脱退していましたね。
今作は2ndアルバムにあたります。
ルビコンミュージックから日本盤も出ていますが私は輸入盤のダウンロード販売(輸入盤というのもおかしいですが)で購入。そのため日本盤に収録のボーナストラックは未聴です。
ボーカルは数々のバンドで歌声を披露してきたアントン・ダルーソ。割と聞きやすい性質でメロスピ向きのボーカルです。
各楽曲のコーラスの入れ方がDerdianと共通したものを感じるため、私としてはDerdianの別働隊のようなイメージで1枚聴き通せてしまいました。いい意味で。
全体的にスピードのある楽曲が多く、クサメロもかなり含まれているために期待される要素は抑えていると言えますね。
どこかで聴いたようなメロディーでゆっくり始まる①曲目「The Black Sorcery」ですが、疾走し始めるとこれは間違いなく良メロだと確信が持てます。早々とコーラスも入ってきますね。大勢で歌ってるのがいい。
「The Cursed Crown」は不穏な雰囲気で始まりますがこれもそこそこの速さ。サビでいきなり高揚感が出てきて爽やかになります。テレレレーで始まる冒頭があとの「Ride into the Sun」とちょっとかぶります。似たようなイントロが少し多いかなという印象。
このほか「The Legend of the Demon’s Cry」「White Dragon」「The Book of Evil」などがテンポが速くていいメロスピです。
各楽曲が水準以上に達しているのですが、同じような作りかなと感じてしまうところもなくはないですね。私はメロスピに同じような曲を求めているところもあるので歓迎ですが。
そして今作で最高と思う名曲が「Ride into the Sun」です。アルバムを通しで聞いていたときに哀愁がべったりと含まれながら疾走するこのメロディーにオッと思いました。
一番に気に入った曲で、後で調べると本作からは唯一のシングルとして先行で発表されていたようで、やはりシングルにできるぐらいのいいできだとバンド側も判断したのでしょうか。
終盤の「Under Siege」はボーカルとコーラスの掛け合いがが楽しく、あっさりと終わるメロスピ曲。最後のタイトル曲「Battle of Ice」は11分超えの大曲。ボーカルのアントンがしゃがれ声を出して頑張ります。全体的に疾走している曲でキーボードピロピロも聴くことができます。これ「Ride into the Sun」にもあったフレーズじゃないかと思わせるのを混ぜてきたりして面白いです。
ということで疾走曲が大半を占めるアルバムでかなり気に入りました。それぞれの楽曲が5分後半から6分超えでそこまでコンパクトではないですが、いずれもクサメロは充実していると思います。今後も期待できそうなバンド。
特に好きな曲は、
「The Black Sorcery」、「The Cursed Crown」、「Ride into the Sun」、「Under Siege」。