Requiem「The Arrival」


点数…84

フィンランドのメロディックスピードメタルバンド、レクイエムの1stアルバムです。

発売した2002年頃はメロスピ界隈の新たなバンドがいくつも登場していて期待が持てる時期だったのを当時の「BURRN!」を読んでみて思っていました。DreamtaleやThunderstoneの1stもこの年に出ていたのですよね。

レクイエムのこのアルバムも日本盤が出ており、それも懐かしのサウンドホリックからでした。そのため現在日本盤を買おうとすると難しいかもしれません。中古狙いでしょうか。
残念なことにバンドはすでに解散していますが、メンバーのヘンリク・クリンゲンベリはSonata Arcticaのキーボーディストとしての活躍も有名です。ベースのパシ・カウッピネンも2013年から同じくSonata Arcticaに加入して頑張っています。

序盤から激しく速い曲が並びます。インスト曲の「Arrival」からしてすでに走っていますが、そこからさらに激しくなっていくのが「Revival」。ギターに気合が入っており、イントロの時点であとから歌メロに登場するクサメロを披露してきています。
続くキーボードが格調高い感じを出してから疾走する「Broken Alliance」も強力。ボーカルのヨウニ・ニクラのオペラ的歌唱の尾を引くような歌い方が意外なクサさを作り出しているような気がします。

そして未だにメロスピ曲の傑作として名前が挙がることがあるのが「The Invisible Touch」です。これは凄いですよ。当然のごとくイントロからも期待させますが、歌メロが入っても突然キーが上がったりしてワクワクが止まらなくなります。あっという間にサビへ到達。途中からハモリが入ってきて極上のクサメロが楽しめます。2番が終わって間奏に入るところで一瞬演奏のもたつきがあるところだけが残念ですが非常にパワフルで勢いがある曲です。知る人ぞ知るバンドの1曲ではあるのですがチェックする価値はありますね。

さて、爆走の序盤に比べると中盤から終盤にかけては長尺かつあまり速くない曲が多くなるという、メロスピ好きはあまり好まない展開になっているなと個人的には思う構成です。「Liquid Hours」では若干のクサさが感じられるのですが。
しかしながらボーナストラックの「Tomorrow’s Dream」は速いです。陽気なイントロで幕を開けてキーボードもピロピロとして結構楽しい楽曲です。

私は2ndと3rdを未聴なのですが、この1stアルバム前半の疾走曲からはかなりの期待を感じられたバンドでした。

特に好きな曲は、
「Revival」、「Broken Alliance」、「The Invisible Touch」