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点数…82
オランダのロックアーティスト、ロビー・ヴァレンタインの4thアルバムです。
ピアノを使いまくった美麗なメロディーセンスが魅力ですが、世界的な潮流に乗っているわけではなかったために、このあたりから日本市場中心の売り込みになったようですね。
全16曲収録と結構多めですが、1分未満の小曲も複数入っているため、全体としては1時間ちょいぐらいの長さになっています。
聖歌のような幕開けとなる「Rise And Shine」で始まり、これは同郷のヴァレンシアばりのコーラスの入れ具合で結構期待できそうですね。続く「I Believe In Music」は結構速いです。「アーアーアー」というコーラスは十分なのですが、もともとヴァレンタインのボーカルの線が細いために、完全にコーラスに負けているように思えるのがやや残念。後半の高速のピアノが聴き応え十分。
8曲目「The Power Above」は映画音楽のような壮大さを持っており、温かみのある合唱曲のようなサビも好感が持てました。
11曲目の「Back On The Track」は爽やか疾走系でかなり聴きやすい曲。ヴァレンタインを象徴するというか、だいたいこんな感じの曲をやっている人ですというと、かなり説明がしやすいですね。
楽しく皆で歌っている感じが出ている「Visionary Victim」などはいいアクセントになっていますし、かなり構成を考えたと思われる「Concerto For The Unconditional Love」は場面の移り変わりの中で相当速いピアノが披露されています。
他は途中でいきなり速くなる「Black & White United」はその速さを維持してほしかったなと思ったりしました。個人的にいかにも90年代トレンディドラマっぽさを感じずにいられない「Don’t Let The World Fall Down On You」みたいな路線は今では少しきついです。そういうことを考えると「Welcome To The Nineties」というタイトルに少しイラッともしましたが、こちらの曲自体は軽快でいいですね。
いろいろな顔を見せてくれる曲がそろっていますが、まとまりもあるように思えるアルバムでした。
特に好きな曲は、
「I Believe In Music」、「The Power Above」、「Back On The Track」。