Kamelot「The Black Halo」

点数…90

アメリカのメタルバンド、キャメロットの7thアルバムです。

この辺りからジャケットの絵が一般受けを意識してるように感じます。
私もちょっと耽美な感じのジャケ絵がいいと思うんですよね。

「ファウスト」がテーマで、前作「Epica」に続くコンセプトアルバムの最終章とのこと。

生と死にまつわる楽曲もあって雰囲気としては全体的に暗めなムードではあるものの、雪道を歩くようなボーっとした明るさもあります。
まあ「Interlude III Midnight / Twelve Tolls For A New Day」がそういう効果音であるからなんですが。

アップテンポな楽曲は割と多めで、メロスピ好きにもとっつきやすい曲がちらほらあるのはありがたいです。
中盤はややずっしりとした曲が多くなるのですが、バラードの「Abandoned」や長尺の「Memento Mori」などで変化させてきてメリハリがあります。

日本盤ボーナストラック含めて16曲というのは多すぎる気もしますが、短いInterludeが3曲もあるので長さとしてはそこそこ程度。
アルバムとしては結構まとまりがあり、特に疾走曲がいずれも好きなので個人的にはKamelotで「Karma」と争うぐらい好きなアルバムですね。

ということで疾走曲について触れますと、「When The Lights Are Down」はサビもクサメロのキラーチューン。間奏から最後のサビに至るまでの過程もカッコよく構築されています。

「Soul Society」はサビはおとなしめですがよいメロディーです。吹雪のような「オーオーオーオー」のコーラスが気持ちよく聴こえます。

表題曲「The Black Halo」は10曲目と目立たない位置にあります。派手さは他の疾走曲ほどではありませんが、Kamelotらしい(?)ねちっこいサビがクセになります。

そしてボートラがない場合はトリを飾るのが「Serenade」、これが実にいいのです。独特のリズムのイントロが熱波のように始まり、踊るようなAメロ、不穏なBメロへと進んで、崩れ落ちるようなサビに入っていきます。メロディーがまた美しく、背筋に震えが来るほどでした。
コンセプトアルバムの最終章であることも念頭に置くと、また感慨も大きくなりますね。

ちょっと「Serenade」単体としての終わり方はあっさりと幕引きしすぎた感もありますが、日本盤ボーナストラックの「Epilogue」で余韻を保管しています。

特に好きな曲は、
「When The Lights Are Down」、「Soul Society」、「The Black Halo」、「Serenade」