Fairyland「Of Wars In Osyrhia」

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オヴ・ウォーズ・イン・オシリア [ フェアリーランド ]
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点数…95

フランスのシンフォニックメタルバンド、フェアリーランドの1stアルバムです。

シンフォニックメタルバンドとしてはRhapsody Of FireやDark Moorが有名で、初心者向けとしてまずこれらのバンドから聴くことを勧められていることが多いのですが、このFairylandも比肩するほどの曲のクオリティーとメロディーの扇情力の高さを持っているバンドです。

今作のボーカルはエリサ・マーティン。Dark Moorでもかつてシンガーを務めていました。以降は2nd、3rdと毎回ボーカルが変わっています。

内容ですが傑作です。序盤からクサメロ満載の疾走曲の連続であり、さらにシンフォニックメタルらしくクワイアも充実しているため、前述したバンドの高評価のアルバムにも全く負けていません。シンフォニックメタルでおススメのアルバム5枚を選べとなった時には、個人的にはこのアルバムを入れますね。

徐々に何かが起きそうな雰囲気を醸し出す1曲目に続き、2曲目の「Ride With The Sun」はキレのいいテンポで進む疾走曲。サビのクワイアが圧倒的で、エリサどこへ行ったと思えるほど。繰り返されるサビのメロディーがクセになります。
続く「Doryan The Enlightened」はエリサのパワフルなBメロからクワイアのサビへと移行する流れが絶品。バラードでもないのに涙腺が熱くなるようなサビが素晴らしいですね。

「Fight For Your King」はサビでエリサが目立つ疾走曲。慈愛すら感じさせるエリサの包み込むような歌い方が、その実力を発揮しています。
「On The Path To Fury」は今作の中でも特にスピード感があります。あっという間に駆け抜けていくサビに驚かされます。終盤のサビでキーボードもギターも皆参加してユニゾン状態になる箇所が好きです。

アルバム中盤を超えても疾走曲の勢いは衰えることなく、サビが続きっぱなしのような魅力のあるメロディーが連発される「The Fellowship」、決意を新たにするような「A Dark Omen」など良曲が並びます。エリサ中心でサビの前半まで来て、サビ後半はクワイアが猛威を振るうという構成はやはり盛り上がります。
疾走曲以外にも、インスト曲の「The Army Of The White Mountains」やバラード曲の序盤などは民俗的なメロディーが聴かれ、情景が浮かんでくるかのようです。

ボートラを除くと最後を飾る「Of Wars In Osyrhia」は10分越えの大曲。テンポを変えつつ疾走しています。
そしてボーナストラックの「Guardian Stones」、これが強力すぎます。イントロからしてパワー全開で、この時点で名曲が約束されたようなものです。どっしりとしたサビのクワイアはなぜこれがボーナストラックかと思うほどのクサメロ。Fairyland恐るべしです。

最初から最後まで捨てるところのないような名盤でした。

特に好きな曲は、
「Ride With The Sun」、「Doryan The Enlightened」、「Fight For Your King」、「The Fellowship」、「Guardian Stones」