ザ・フローズン・ティアーズ・オブ・エンジェルズ [ ラプソディー・オブ・ファイア ] |
点数…90
イタリアのシンフォニックパワーメタルバンド、ラプソディー・オブ・ファイアの8thアルバムです。
前作にあたる「Triumph Or Agony」は、あまりメロスピ曲がなく少し肩すかしだった印象のRhapsody Of Fireでした。
次回作はどうなるんだろうと思っていたら、なんと前作から3年経ってようやく出たのが今作。
この時期はManowarとかがいたレーベルのMagic Circle Musicに所属。そことの契約が上手くいかないとかで、活動が思い通りに行えなかったらしいと聞きました。
いろいろあって今作はNuclear Blastからのリリースとなりました。
当時のことは結構覚えていました。久々のRoFの新譜だということで期待感が高まっていたのですが、ネットで最初にお披露目となったのが「Sea of Fate」。
曲自体はそこそこスピード感もあってシンフォニックでもあるのですが、どうもメロディが弱く感じられたものです。そしてクワイアも小さい。
アルバム全編通してこの調子だったらまずいなあと、なんとなく不安になりました。私以外のネット意見でも、同じような感想だった人が多かったのを記憶しています。
ところが実際にリリースされた本作を聴いて評価が一変。なかなかいいのです。かつての熱が戻ってきた思いがしました。
特に「Reign of Terror」がいい。新たな代表曲と言っていいのではないでしょうか。
不穏なイントロの演奏と囁き声から徐々に楽器が増えていき、1分半辺りからはシンフォニックブラックメタルばりの叫びが聴こえてAメロへ。
すでにクワイアが入りまくっているAメロと対照的に、デスボイスで一気に攻めてくるBメロで勢いが増します。
そしてサビへ。このサビの繰り返しの辺りからクワイアが追加されてとんでもなく豪華になるのです。特にここがいいんですよね。
このアルバムは疾走曲が多く、序盤の「Crystal Moonlight」はサビやギターソロがこれまでのRhapsodyになかった味付けがされていて面白いですし、ファビオがのびのびと歌っている「Raging Starfire」も名曲。ボーナストラックの「Immortal New Reign」は本編に引けを取らないメロスピ曲。これはちょっと「Triumph Or Agony」の頃の楽曲に近い印象でした。
「On the Way to Ainor」は「Reign of Terror」と並び立つ巨頭。イントロからギターが力強く疾走を予感させます。
徐々に音階が上がっていくサビはこちらの気分も盛り上がります。サビの最後の「ON THE WAY TO AINOR!」というあたりは一緒に叫びたくなるほどです。
ということで、かなりこちらも聴いていて手ごたえを感じた1枚でした。
特に好きな曲は、
「Reign of Terror」、「Danza di fuoco e ghiaccio」、「Raging Starfire」、「On the Way to Ainor」、「Immortal New Reign」。