六弦アリス「新興宗教 万華教」

点数…86

六弦アリスは日本の同人音楽サークルです。

今作は彼らの8thアルバム…だと思うのですが正確な枚数がよくわかりません(「緋のローレライ」が公式によると、2枚合わせて5thであるようなので)。

ボーカルとコーラス以外が打ち込みであるため、メロスピバンドというわけではないのですが、メロスピやクサメロを追い求めていくと、結構な確率でこのサークルのCDに辿りつきます。

同人CDなのでネットで少し安く購入できるのが嬉しいですね。CDジャケットや歌詞カードも工夫してあって読むのが楽しくもあります。

メンバーは楽器諸々担当の六弦A助さんと、ボーカルや衣装担当の櫻井アンナさん。
櫻井アンナさんの歌唱は激しい曲でもおとなしめに聴こえ、そこに気品のような余裕が感じられて聴き応えがあります。

打ち込み中心とはいえサウンドはシンフォニックで、荘厳かつ絢爛な世界観の構築に苦心されているのが伝わります。

これまでのアルバムは収録曲が7曲程度で、ややミニアルバムに近いものもありましたが、今作は12曲とたっぷり入っています。
まあお経のみで1分半で終わる「偽善の調べ」のような曲もありますが、アルバムの展開上必要な仕掛けでしょう。

気になるのは疾走曲やクサメロの度合いかと思います。
疾走曲はなかなか多く、アルバムの序盤から速めの曲が連続します。

クサメロらしいクサメロは5曲目「先天性ドルチェ」や7曲目「純心セイレーン」あたりの、アルバム中盤から目立ってきます。
ラストの「ワルキューレの詩」はキーが抑え気味であっても、クサメロはできるということを知らしめる1曲。

とりわけ気に入ったのが10曲目の「犠牲者たちの夜」で、イントロからサビまで繰り返し流れる印象的なメロディーが耳に残ります。

同人音楽というジャンルを聴いたことがないという方も、一聴の価値はあるのではないでしょうか。

特に好きな曲は、
「先天性ドルチェ」、「純心セイレーン」、「犠牲者たちの夜」、「ワルキューレの詩」