シンフォニー・オヴ・ウォー [ マジック・キングダム ]
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点数…90
ベルギーのネオクラシカル・メロディックスピードメタルバンド、マジック・キングダムの3rdです。
2ndの「Metallic Tragedy」もかなり良かったのですが、今作ではシンフォニックな要素が強くなっていて、ますます私好みのサウンドとなりました。
ボーカルは前作で歌っていたマックス・レクラークから、Luca TurilliソロやSymphonityで活躍するオラフ・ヘイヤーに交代しました。
キーボードではFairylandのフィリップ・ジョルダナも加入しています。
マックス・レクラークはFairylandの2ndでボーカルを務めていましたし、よくわかりませんがコネクションがあるみたいですね。ちなみにオラフもフィリップも2ndのみの参加でのちに脱退しています。
さて、このバンドの持ち味はダッシャン・ペトロッシのギターの腕前だと思っています。
今作でも彼は序盤から弾きまくっていて速弾きを堪能することができますが、アルバム終盤の「METALLIC TRAGEDY – CHAPTER 2: THE HOLY PENTALOGY」という組曲仕立てになっている数曲では、ギターはほかの楽器に比べてもさほど目立っていません。
この組曲、11分の大曲以外は映画音楽のような仕上がりですが歌メロ自体がほとんどなく、やや私としては複雑。
インスト曲ばかりになっても困りますね。
とまあ終盤はそこまでツボではありませんでしたが、それ以外はほぼメロスピ曲ばかりで、しかもなかなか良いメロディーのシンフォニック・メタルへと変貌しています。
その分ネオクラ風味は薄れたので前作路線とは少し異なりますが、こちら路線でもいいと思います。
1曲目「Symphony Of War」から9曲目の「Unholy Abyss」まで全部疾走曲なので驚きます。厳密には最後の「Tournament Of Hell」も疾走曲なので、実質10曲あることになりますね(3曲目の「Million Sinners World」のみ疾走と言えるかわかりませんが)。
いずれも良曲ですが、サビが哀愁系のクサメロとなっている「Monte Cristo」、勇壮な楽曲が力強い「I’m A Lionheart」、ルカソロを彷彿とさせるような突進系のサビが魅力の「Unholy Abyss」など、中盤の楽曲が特に気に入っています。
また、怪しげなイントロから小気味よいサビメロに辿りつく「No Mercy For The Enemy」は6曲目ですが、ボーナストラックというから得した気分です。
現在はボーカルがADAGIOのクリスチャン・パリンに代わっていまして、そちらの体制は未聴ですがオラフボーカルでもう何枚かアルバムを聴いてみたかったとも思います。
特に好きな曲は、
「Symphony Of War」、「No Mercy For The Enemy」、「Monte Cristo」、「I’m A Lionheart」、「Unholy Abyss」。