Insania「V (Praeparatus Supervivet)」

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V(プレパラトス・スーペルヴィヴェット) [ インサニア ]
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点数…88

スウェーデンのメロディックスピードメタルバンド、インサニアの5thアルバムです。
読みは「プレパラトス・スーペルヴィヴェット」。

前作「Agony – Gift of Life」が出たのが2007年ですから、なんと14年ぶりの新譜ということになります。その間にはYouTubeで公式チャンネルが更新されていたりしたので、解散したわけではないのは知っていましたがなかなか新たなリリースがない状況でした。
このところFairylandやAquariaなど、10年前後の間を開けて久しぶりのリリースとなるバンドが多くて嬉しい限りです。しかも共通するのは以前のスタイルからさほど変わらない内容で発表してくるところで、期待通りと言えますからそこもいいですね。

肝心の本作ですが、やはり安定のInsania。ほとんど路線が変わっていません。5分超えの曲が多いですが基本的に全部メロスピ曲と言っていいでしょう。「Prometheus Rise」のように速くなりそうでならない曲もありますけれど。
前作からの間にメンバーが出たり戻ったりしたようですが、本作では同じメンバーが終結していますね。ギターが1人増えています。音楽性が継続しているのもメンバーが同じだからでしょうか。2013年頃にはディミトリ・ケイスキがメインボーカルとなっていたようですが、その後に前作までのボーカルだったオラ・ハーレンも復帰したという流れのようですね。

表題曲である「Praeparatus Supervivet」は早くからPVが公開されていた疾走曲です。一聴しただけで前と変わっていないことに安心させられました。
洞窟らしきところでメンバーが演奏しています。はっきり言ってメタルのおっさん集団なのですが、割と綺麗で新たにこのPVからファンを獲得できるかもしれません。サビもよく、最後の「I will never give up this fight~♪」のところでボーカルのオラ・ハーレンのドヤ顔がアップになるところが、ちょうどYouTubeのサムネイルにもなっていてインパクト十分。

このほかサビを中心にひたすらキャッチーで覚えやすいメロディーの「Moonlight Shadows」も気に入りました。
哀愁を振りまいて疾走する「Solur」や、かつての姿のまま帰ってきたように思わされる「We Will Rise Again」なども前半の聴きどころです。

ツインボーカルになって、ディミトリ・ケイスキがボーカルを担当してる曲が主に後半に出てきますが、パワフルで野性味を感じさせる声なのでちょっと別バンドっぽくも聴こえてきますね。
前作「Agony – Gift of Life」では表題曲「Gift Of Life」がオラ・ハーレンとディミトリ・ケイスキのツインボーカル体制で、特に最後のサビでコーラスを重ねていて非常に感動的でした。本作ではボートラを除くと最後の「The Last Hymn to Life」で再びその手法が使われており、サビで主旋律とコーラスとで分かれていくところがまた泣ける構成でした。

特に好きな曲は、
「Praeparatus Supervivet」、「Moonlight Shadows」、「The Last Hymn to Life」