インサニア/アゴニー〜ギフト・オヴ・ライフ(CD)
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点数…88
スウェーデンのメロディックスピードメタルバンド、インサニアの4thアルバムです。
1stからこの4thまで、日本盤は全てアヴァロンレーベルから出ていました。
初期はマニアックなバンドという位置づけだったインサニアですが、出すアルバムで毎回見事なクサメロ曲を並べてきたことで評価が上がっていきました。
影響を受けたHelloweenやGamma Rayで聴かれたようなメロディーが出てきていたのも懐かしいところでした。
今作では3rdでも歌っていたボーカルが続投。線はあまり太くありませんが、高音の出し方や音程は安定している印象です。
演奏はこれまで同様にドコドコ疾走系で安心。
クサメロ度合いはそれほど突飛なところはなく、「Facing My Destiny」「Dreams」など手堅い楽曲が多いですね。「Facing My Destiny」のサビなどで突然音程が高くなったりするところがインサニアらしさを感じさせてくれ、嬉しくなります。
「To Live Another Day」「Valley Of Sunlight」など中々の美メロの楽曲もあり、これまでよりもさらに洗練された感があります。
速い曲からミドルテンポな曲まで良いメロディーの楽曲が多く、コーラスのハモリも多めなのがいいですね。
特に名曲なのが表題でもある5曲目の「Gift Of Life」。
感動的なコーラスから始まるこの曲は7分以上ありますが、長さを感じさせない展開となっています。
ほとんどはボーカルのオラ・ハーレンが歌っていますが、Bメロではキーボードのディミトリ・ケイスキが歌い始め、サビでは再びオラが歌う構成。
ディミトリは野太い声で結構うまいです。
Bメロもサビもメロディーがよく、ハモリも綺麗に入ってきていてB級バンドの枠を超えてA級と言えるクオリティ。
間奏の終盤はコーラスで盛り上げ、最後のサビは3回繰り返します。1回目のサビはオラが歌い上げ、2回目はオラが歌う後ろにコーラスが異なる旋律をうまくかぶせてきます。そして最後の3回目はディミトリがメインで歌い、皆が後ろで盛り上げるという感涙ものの内容。
まさにインサニアのアンセムとも呼ぶべき凄まじい名曲です。
名曲を発表して今後の彼らにもさらなる期待が持てましたが、この4thを出して以降、インサニアは2017年現在まで新作のリリースがありません。
解散というわけではなさそうですが、ボーカルのオラは脱退しています。
数年前にYoutubeで、新作を作っているんだという感じのインタビュー動画を見たのですが、何だったのでしょうか。また近況を知りたいところです。
特に好きな曲は、
「To Live Another Day」、「Gift Of Life」、「Valley Of Sunlight」、「Dreams」。