Sound Horizon「Elysion 楽園への前奏曲」

点数…87

日本の幻想的な音楽集団、サウンドホライズンのメジャーデビューアルバムです。
曲の最中に語りが入ったり、Jimangさんの声が聞こえてきたりと、すでにサンホラお馴染みの要素は確率されていますね。

インディーズ時代の楽曲を中心に構成された全8曲が収録されています。初期ベストみたいな感じですね。
うちの2曲は後に出るアルバム「Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜」からの選考収録となっていますが、アレンジ自体はそちらとは異なっていますね。例えば「Ark」では今作にはなかったのが次作には入っているハモリがあったりして顕著です。

サンホラ初期の作品はかなりクサメロが多いと事前に聞いていたというのもあり、今作も期待して聴きましたがなるほどこれはかなりのものですね。
「〜楽園幻想物語組曲〜」にも収録された「Ark」はやはり名曲。Aメロからすでにクサメロとも言えるいいメロディーが溢れていて充実した曲です。サビがいいことは言うまでもありません。同じく収録されたもう1曲は「Yield」で、ちょっと民謡っぽい雰囲気です。

さらに「恋人を射ち堕とした日」、「澪音の世界」も相当なものです。前者はそのビックリするようなタイトルも印象に残りますが、冒頭からいきなり美しいサビが始まります。速さとしては普通ぐらいですが哀愁を含んだ綺麗な曲ですね。
「澪音の世界」はストリングスのキコキコも頭に残りますし、サビのクサさとしては「Ark」に勝るとも劣らないですね。サンホラの中でもトップクラスのサビの良さだと思います。

8分超えの「雷神の系譜」は語りが終わって歌メロが始まり、なかなか美旋律のBメロでこれからサビなのかと思ったら、実はそこがサビだったのかなという不思議な感覚になりました。

このほかJimangさんが目立ちまくる「魔法使いサラバント」はメロディーがふわふわしていて異色。アコーディオンが入ってなんとなく後のアルバム「Roman」のような雰囲気の「檻の中の花」も癒やされますね。序盤の「辿りつく詩」もそうですが結構穏やかな楽曲も半分ぐらい入っていてバランスが取られています。

特に好きな曲は、
「Ark」、「恋人を射ち堕とした日」、「澪音の世界」。