Dragonforce「Ultra Beatdown」

点数…84

イギリスのメロデイックスピードメタルバンド、ドラゴンフォースの4thアルバムです。

過去作と同じように長い疾走曲が多いですね。というかほぼそのパターンです。間奏が長い。たまに大作があるぐらいならいいのですが、次から次へと7分超えの曲が出てくると個人的にはちょっと疲れて困りますね。
ボーナストラックを除けば全9曲。それでも60分近くあります。ボートラが3曲加わることによって80分近くの収録時間という、かなりボリュームがある作品になりました。

先行シングルの「Heroes Of Our Time」はサビの途中で前作の「Operation Ground And Pound」のBメロみたいなメロディーが入ってきて一瞬ヒヤッとしますがそこだけで、爽やかに駆け抜ける1曲。サビの最後で下がっていく音程でまとまりがよくなっています。
「Reasons To Live」はコーラスや演奏などが綺麗な曲。テンポの変化や雰囲気の異なる間奏などは他のメロスピバンドならばアルバム最後の大曲として持ってきそうですが、これを大作扱いせず4曲目に入れてこられるのは凄いと思います。6分半ほどで今作の中では短め。

「Heartbreak Armageddon」は何だこれって感じのタイトル。3分50秒ぐらいまではいつもの感じですが、途中で完全に別の曲みたいに哀愁を漂わせ、その後は溜めた分だけまた爆走という形に。

「Inside The Winter Storm」はやたらと空白が気になる1曲。そこ歌わないのかとビックリするところがしばしば出てきました。不思議です。
「The Last Journey Home」は結構意外な一面を見た気がする楽曲でした。なかなか疾走まで行かずに溜めていきますね。途中のエコーのかかり方がB級メロスピっぽい臭いを感じさせてよかったです。こういう曲もやるんだと、新境地を予感させてくれました。

「The Warrior Inside」は意表を突いたイントロ。アプリゲームか何かが始まったのかと思いました。キーボードはRPGチックでいいと思いますが他の部分はいつもの感じです。最後に調整みたいな空白が30秒ほど。

ボーナストラックのうちの「Strike Of The Ninja」は3分ちょっとぐらいで珍しく短めです。「忍者」がタイトルに入っていて面白いです。速さは彼らにしてはそこそこですがメロディーはかなりキャッチーでいいですね。Bメロも充実してサビに入るのが嬉しい。あまりDragonforceっぽくないメロディーかなと感じるところもあって意外性もあります。カバーらしいですが。
同じくボートラの「E.P.M.」はExtreme Power Metalの略だそうです。2019年にまんま同じタイトルのアルバムがリリースされました。

アルバム全体でスタイルが似通っている曲が多いという印象は変わりませんが、そんな中でもテンポを変えたり間を開けたり変わったエフェクトを入れたりと工夫が見られる1枚でした。

特に好きな曲は、
「Heroes Of Our Time」、「The Last Journey Home」、「Strike Of The Ninja」