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点数…86
ブラジルのシンフォニックパワーメタルバンド、アクアリアの3rdアルバムです。読みは「アレシア」。
前作「Shambara」が出たのが2007年でしたので、なんと13年ぶりのリリースです。その間にクリスマスソング「Xmasong」が発表されていたり、ボーカルのヴィトール・ヴェイガが所属するEndlessの新作が出ていたりはしましたが、アルバムのリリースとしては本当に久しぶりです。
中心人物のヴィトールとアルベルト・キューリー、ベースのフェルナンド以外はメンバーチェンジがあって、前述のEndlessのギターが加入。ドラムのブルーノ・アグラが抜けてHatefulmurderというバンドのドラムの人が入っていました。抜けたメンバーに対してはCDジャケットのスペシャルサンクスの欄に名前が出ていましたね。
事前にシングルとして発表されていた「The Time Traveller」と「The Miracle」は先にYouTubeの公式チャンネルで聴いており、なかなかの期待感を持てました。
「The Time Traveller」は穏やかに始まり2分過ぎあたりから疾走していくという構成。最初のサビは4分あたりですね。明るく開けたメロディーです。ヴィトールの柔らかみのあるボーカルとコーラスが一体となって駆け抜けていきます。
「The Miracle」はちょっと異国情緒を感じさせる始まり方。絡みついてくるようなメロディーは1stアルバムと2ndアルバムの曲調を両方合わせたような感じでクセになりました。2分半あたりの間奏が美しくて好きですね。
いざ本作を聴いてみると、全体的に速めの曲が多いのに驚きました。
小曲かと思った1曲目の「Am I」からして緊張感のあるシンフォニックメタル。以降の「The Avater」も速いですし、タイトル的にはあまり速くなさそうな4曲目「The Indians」は民族要素も入れつつこれも速いのです。
キンキンキンという音が特徴的な「The Quest」もいいメロディーです。「The Pain」は疾走曲というわけではありませんがどこか頭に残るサビをしていますね。
Aquariaの楽曲らしく途中でテンポが変わってバラード調になったり穏やかになったり、また速くなったりという展開が多くの曲で入っているのも特徴的です。
最後の「I Am」はシンフォニックな美しいバラードですので、終盤の「The House Of Words」が本編最後の疾走曲。こちらはまとまりがよくて好ましいです。ヴィトールの高音も健在で。
ボーナストラックはUirapuru時代の楽曲「Violet」を録り直したもの。原曲を聴いたことはないのですが、Heavenlyと摩天楼オペラを足したみたいなイントロ。結構サビにクサさがあっていいですね。
思った以上に疾走曲メインで、過去作ほど複雑な展開がなく聴きやすい1枚でした。
特に好きな曲は、
「The Miracle」、「The Quest」、「The Time Traveller」、「The House Of Words」、「Violet」。