Wisdom「Judas」

点数…90

ハンガリーのメロディックスピードメタルバンド、ウィズダムの2ndアルバムです。

1stはかなりの好内容で今後に期待していたのですが、1stで歌っていたボーカルが脱退。
さらに日本盤を出していたSOUNDHOLICが廃業と、苦難の状況でもはや日本盤が出ないのではないかと危ぶんでいました。

ところが日本盤発売の報があり、期待を持って購入したのを覚えています。
内容は前作同様のメロディックスピードメタル。

やや土の香りがするような、どこか懐かしさも感じさせるメタルの雰囲気は、なかなか出せるものではないだけに貴重です。
コーラスの分厚さも健在で、シンガロングできます。

新ボーカルも前のボーカルとそれほど声質が違うわけでもないので、前のボーカルに慣れていても違和感はさほどないのではないでしょうか。
曲のキーがあまり高くないので高音曲での実力は未知数ですが、「Age Of Lies」の終盤や「Live Forevermore」の転調後も安定して歌えていますから大丈夫でしょう。

アルバム前半はミドルテンポの曲が多いためやや意外でしたが、中盤以降はメロスピ曲の連続です。3分台、4分台の曲がほとんどで、コンパクトに1曲1曲まとめられています。

親しみやすく覚えやすいメロディーのサビが続くので、メロスピを聴き始めという方でもとっつきやすいアルバムですね。

メロスピ曲の中でも特に良いのが、PVも作られた「Live Forevermore」。
勇壮なサビはクサさも十分に備えており、最後の転調もスケールの大きさを感じさせます。

ただ、それぞれの楽曲でサビは違うものの、それぞれの曲自体から受ける印象は結構似通っています。

1曲が気に入れば他の曲も気に入ると言えば聞こえがいいですが、連続すると少し飽きが来るかもしれませんね。
前作であったアコギが美しい「Unholy Ghost」のようなバラードも今回はありませんし。
もう少し毛色の違う楽曲が入っているとさらに評価が上がってくると思います。

特に好きな曲は、
「Fallin’ Away From Grace」、「Live Forevermore」、「Silent Hill」、「At The Gates」。