Blind Guardian「Nightfall In Middle-Earth」

点数…85

ジャーマンメタルバンド、ブラインド・ガーディアンの6thアルバムです。
日本盤での収録曲数が何と24曲というとんでもない量で驚かされます。実際はインストだったり語りだけで1分未満だったりする曲が多いので、そこまでの長さというわけでもありませんが。

バラード曲も割と多いです。「The Eldar」はピアノをバックにボーカルが切々と歌い上げる曲。たまにこういう曲があると緩急が付いていいのですが、今作は他にもインストとかが多すぎてそこまで効果的でもないですかね。

「Blood Tears」は出だしから夜の落ち着いた雰囲気で名曲かもと思ったのですが、途中からずっとクワイアが入りっぱなしで、むしろうるさい印象すら受けてしまいました。前作5thの「A Past And Future Secret」なんかは穏やかなところと激しいところのメリハリがあって極上の楽曲でしたので、個人的にはああいう構成を期待しています。

毎回ほしくなるケルト色を満たしてくれるのが「Nightfall」という曲です。ミドルテンポで、イントロが特にいいです。そして穏やかに始まる歌い出しもグッド。ですが中盤以降は他の楽曲と同じように展開していきました。
ちなみに小曲「Battle Of Sudden Flame」はかなり民族っぽさが出ていて思わぬ拾いものでした。

疾走曲だとやはり彼らの代表曲の1つでもある「Mirror Mirror」が強烈ですね。サビで「ミラーミラーオンザーウォール」と歌うところは一度聞いただけでも頭に残ります。ギターのハモリがなかなかよいイントロから始まって、歌メロが入るともうすでにクワイアになっています。この時点で名曲が約束されたようなものですが、サビのキャッチーさは彼らの楽曲でもトップクラスですね。ギターのメロディーもクサメロでリピートしたくなります。

さほど速くないですがメロスピ好きなら気に入りそうな曲が複数収録。「The Curse Of Feanor」はサビ以外が速めの曲です。突飛でメロディアスなギターのメロディーが面白いですよ。
「Time Stands Still (At The Iron Hill)」は速さとしてはそこそこですが、後ろでなっている民族的なメロディーがまたいいです。サビメロもクサさ多めで印象的です。

曲数が多いためランダム再生にはあまり向かないアルバムです。相当作り込まれているのを感じますが「あまり速くならずにコーラスは分厚い」という楽曲がずらっと並んでいて、楽曲ごとの個性はやや薄めな印象も受けました。

特に好きな曲は、
「Nightfall」、「Mirror Mirror」、「Time Stands Still (At The Iron Hill)」