Asriel「メルヴに堕ちる歎きの天使」

点数…82

日本の音楽ユニット、アズリエルの9thアルバムです。「Requiem」や「Reincarnat」をアルバム枚数に加えなければ7枚目でしょうか。よくわからなくなってきているので違っていたらすみません。すでに解散してしまっているユニットなので残念です。

6曲入りのミニアルバムになっています。過去作同様に、シンフォニックメタルに通じるようなストリングスが強調されたアレンジがいいです。ジャケットが何か白っぽくてゴシックさが失われたかと思いきや、音作りは特に変化しているわけではありませんでした。

1曲目の「Chaos of romantic」は6分半ほどありますが他は4~5分ほどとなっています。「Chaos of romantic」もただ長めなだけでなくストリングスの暴れっぷりが気持ちいいですね。サビも長めにとってあって聴き続けられます。
2曲目の「phantom」はメロディーもドラマティックさも兼ね備えた強力な曲。かなりキーの高いサビですがボーカルの技量もあって安定しています。最後のサビは転調しているように思えるのですが、そこがまた盛り上がるので好みです。

本作最後の「CRESENT ~夢幻の楽園~」は冒頭からメロスピバンドばりのクサそうなイントロです。AメロBメロもそこそこ速いのですが、一瞬の溜めの後のサビがさらに速く感じられて迫力があります。メロディーも含めて今作ではかなり気に入った1曲です。

メロディーの良さでいうと4曲目の「時雨の空」は相当なものでした。Jポップのような親しみやすい歌メロと後ろで激しくなっているストリングスが不思議とクセになります。

全編通して疾走というわけではなく、「Al Livras」はミドルテンポですし、「純潔の雪」はテンポを抑えてじっくり聴かすバラードタイプの楽曲です。後者はピアノやストリングスが情景を盛り上げて効果的です。
バランスのよい構成のミニアルバムに仕上がっている印象の1枚でした。

特に好きな曲は、
「phantom」、「時雨の空」、「CRESENT ~夢幻の楽園~」