|
点数…89
イタリアのシンフォニックメタルバンド、ラプソディーの記念すべき1stアルバムです。
もともと日本盤がビクターから出ていましたが、のちの2016年、AVALONのレーベルから紙ジャケ仕様でも出ました。
今作は全10曲で収録時間が45分ほど。10分越えの楽曲はなく、最長がタイトル曲である「Legendary Tales」で8分近くです。
もっとも有名な楽曲「Emerald Sword」が2ndの「Symphony Of Enchanted Lands」に収録されているので、そちらに比べるとこのデビュー作は少し影が薄いようにも思いますが、この時点からすでにシンフォニックメタルが炸裂しています。
なかなか良いクワイア混じりの短い1曲目に続き、早速氷の戦士が登場するのが「Warrior Of Ice」。「マイティーウォリアー」と歌い上げるファビオの声も力強く、頼もしさを感じます。
疾走曲は多めでアルバムの半分を占めています。個人的に最も好きなのが「Rage Of The Winter」。これは最高です。何がかというとサビのクサさがです。
イントロの吹雪のような音とストリングスが冬の厳しさを伝えているかのよう。ゆっくりと始まったかと思うとすぐに激しいサビがやってくるのですが、このサビに中毒性があってもっともっと聴きたくなるのです。ですがこのサビは時間が短すぎです。11秒で終わってしまいます。最後のサビぐらい、繰り返してくれればいいのにと思うぐらいです。
サビが短いというと「Autumn Twilight」という曲がだいぶ後に出るのですが、こちらも10か11秒でサビが終わります。これだけサビが短いのはちょっと珍しいですね。
さて、疾走曲というと外せないのが7曲目の「Land Of Immortal」。こちらも人気があります。サビのメロディーが美しく、コーラスもハマっています。2番のサビでファビオの歌うメロディーに変化があるのがいいですね。
他にもギターもキーボードも暴れ気味の「Flames Of Revenge」はパワーがあります。終盤の疾走曲である「Lord Of The Thunder」はサビでひたすらクワイアが聴け、その実直ともいうべき歌い方が硬質でかっちりと決めてくれます。
ハモリが美しい民謡のような「Forest Of Unicorns」や、笛の値が疲れをとってくれるような「Virgin Skies」、壮大な「Legendary Tales」など疾走曲以外も良好。「Echoes Of Tragedy」はクワイアが聴きどころですが、これはちょっとB級メタルバンドがやってそうな曲のように感じました。
1stの時点ですでに路線が定まっており、その後の成功を確信できるような高品質のアルバムでした。
特に好きな曲は、
「Warrior Of Ice」、「Rage Of The Winter」、「Land Of Immortal」、「Lord Of The Thunder」。