Karelia「Raise」

点数…84

フランスのメロディックパワーメタルバンド、カレリアの2ndアルバムです。
今回書くにあたって調べてみたところ、バンドは2013年に解散しているようですね。2011年に4thアルバムが出たのが最後のリリースだったようです。

今作は1stアルバムに続いて日本盤が出ました。SOUNDHOLICからです。
次の3rdは確か輸入盤のみではなかったかと思います。「BURRN!」のクロスレビューで点数があまり良くなかったのを記憶しています。

さてKareliaですが、フランス出身で日本盤が出た数少ないバンドの1つ。同郷のHeavenlyが「BURRN!」のインタビューを受けている際に、Kareliaの名前がインタビュアーから出て、「Kareliaを知ってるのかい!」と驚かれていた、というのは前にもどこかで書きましたね。

音楽性はメロパワあるいはメロスピの括りに入りますが、Heavenlyとはかなり異なります。
やや重苦しい雰囲気が全体を包んでいるような空気を作り出しています。ゴシックメタルのムードが少しありますね。

特筆すべきはクワイアがかなり入っていることですね。そのためにシンフォニックメタルっぽさも感じられるという、なかなか多くを取り入れているバンドです。
最初の曲が表題曲でもある「Raise」。謎のSE、序盤から入ってくるクワイア、そして禍々しさをはらんだボーカルと、かなり凝った展開になっています。ボーカルのハモリが意外と綺麗なんですよ。

疾走曲は「Child Has Gone」と「The Hermit」。かなり強力な2曲です。
前者はメロディーが特に明るいわけでもありませんがなかなかの良メロ。サビかと思う箇所が実はサビではないのかもしれません。次々と展開して曲が進むほどに盛り上がるという構成です。最後のサビでキーが上がるのも嬉しくなります。ゲストで入ってくる女性ボーカルも上手いですね。

後者の「The Hermit」、こちらもいいんです。Bメロあたりからクサメロの期待が高まってきます。そしてサビ。サビの最初はボーカルが歌うのですが、すぐにクワイアのみの歌声に切り替わります。ボーカルとクワイアが交替で歌っているわけですね。迫力十分でやみつきになります。

他のミドルテンポな楽曲でもとにかくクワイア満載になっていますので、シンフォニックメタル好きの方も新たな発見があると思います。

しかし改めて、解散していたとは少し残念。日本盤が出なくなってきていたあたりで私が入手して聴く機会も少なかったと思うのですが(3rdからは未聴ですし)、ボーカルは結構上手かったと思うので、またどこかのバンドで会えたりするとそれはそれで楽しいかもしれません。

特に好きな曲は、
「Child Has Gone」、「The Hermit」、「Tearful Clown」