Dark Moor ダークムーア / Tarot 【CD】 |
点数…88
スペインのシンフォニックメタルバンド、ダーク・ムーアの6thアルバムです。
アルフレッド・ロメロがボーカルになって数作。
どうもメンバーチェンジ後の作品は煮え切らないような印象を持っていたのですが、このアルバムではエリサ時代の初期の雰囲気が戻ってきている印象を受けました。大いに歓迎するところです。
ジャケットの絵も、いかにもメロスピを思わせる魔術師っぽい姉ちゃん。
タロットカードをモチーフにしたというあたりも、なんとなくクサさが期待できるではないですか。
ゲストに女性ボーカルを呼んでおり、ロメロとデュエット形式のサビが多く聴かれます。
全体的にシンフォニック度合いが強く、スピードも速め。クワイアも多いですし、プラス要素ばかりです。
2曲目から7曲目まではほぼ全部速めの曲と言っていいですね。
気になるのがメロディのクサさはどうかというところですが、かなりのものです。
ロメロはあまり高い声を出すボーカルスタイルではないのですが、キーが高くない楽曲が多い中でもクサさがまんべんなくあります。元のメロディーがいいんでしょうね。
アルバムで人気と思われるのが、PVも作られた「The Chariot」と、次の曲である「The Star」です。
前者はいきなりサビの合唱から始まるのでかなり格好いいです。さあ始まったという気分になります。サビの繰り返しが長く、印象に残ります。
後者の「The Star」、これはかなりの名曲ですよ。イントロこそあまり突出した感じは受けませんが、とにかくメロディーがいいですね。
サビが来たかと思ったら実はBメロで、その後に素晴らしいサビが待っていたという嬉しい展開。かつての「A New World」のような爽やかさを思い出しました。
以降も「Wheel Of Fortune」、「The Emperor」、「Devil In The Tower」と、なかなかいいメロスピ曲が続きます。
ハモリが美しい「Wheel Of Fortune」などかなり印象がいいですよ。
本編最後を飾る「The Moon」はいきなり冒頭から「デデデデーン」とベートーヴェンが流れてきて仰天します。
クラシック曲を彼らがやると、すさまじくクサメロに変貌していくんだということが再確認できます。しつこいまでの(褒めています)クワイアとメロディーの洪水をなんと10分も堪能できる大作。
続く日本盤ボーナストラックは「Mozart`s March」と、これまたクラシック要素を取り入れてきています。有名メロディーのメタル風カバーですね。
特に好きな曲は、
「The Chariot」、「The Star」、「Wheel Of Fortune」、「The Emperor」。