アンダー・ザ・グレイ・バナー [ ドラゴンランド ]
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点数…85
スウェーデンのメロディックスピードメタルバンド、ドラゴンランドの5thです。2011年作。
前作「Astronomy」が出たのが2006年でしたから、実に5年ぶりの作品でした。
公式サイトにこのアルバム用の特設ページができてて、期待を抱かせてくれました。
そうは言いつつも今作から5年経って、まだ次のアルバムは出ていないですね。
いつの間にこんな寡作なバンドになったのか…
ともかく今作ですが、シンフォニックな要素が増していて、個人的には歓迎するところです。
しかも彼らの持ち味である速さはそのままでしたので、正当進化と言いましょうか。
ゴージャスな音作りになってきているのかもしれません。
しかしクサメロで溢れているかというと決してそうではありません。
世界観を重視するあまりか、演奏や演出に力が入っているのはわかるのですが、歌メロがやや弱いのです。
そんな中で特筆すべき1曲が、「The Black Mare」。mareとは馬ですから黒馬ですね。
勇壮なイントロから始まって、少し叙情性が加わったAメロBメロへと展開します。
そして威厳すら感じられるサビが実にクサく、ハモリのコーラスを何重にも重ねてきているのがまた嬉しい。
最後のサビの繰り返しには涙腺が刺激されるほどでした。
ライナーノーツにありましたが、彼らの一大コンセプト作である「The Dragonland Chronicles」の最終章がこのアルバムだそうです。
クロニクルの始まりが2ndの「Holy War」で、wikipediaに書いてあって初めて気づいたのですが、タイトル曲の「Under The Grey Banner」の一番最後の箇所が、アルバム「Holy War」の1曲目「Hundred Years Have Passed」の同じメロディーなんですね。
なかなかいい試みでした。
特に好きな曲は、
「Shadow Of The Mithril Mountains」、「The Black Mare」、「The Trials Of Mount Farnor」。