Rhapsody Of Fire「The Cold Embrace Of Fear」

点数…71

イタリアのシンフォニックパワーメタルバンド、ラプソディー・オブ・ファイアの2010年作のミニアルバムです。

Rhapsody作品ではこれまで特に不満を感じたことがなかったのですが、今作はちょっと、買わなくてもよかったかなーという気持ちが頭をよぎりました。

ちょっと前に出てたアルバムの「The Frozen Tears of Angels」が久々のRhapsody Of Fireの新譜で、内容も結構気に入っていたのですが、今作は買う前からちょっと不安はあったのですよね。

たぶん速い曲があまりないんだろうなと思っており、しかも概ねその通りだったのです。

そもそもインストやSE中心の曲が多くて、歌メロはどこなんだという状況に立たされます。映画のサントラに近いんですよ。映画音楽がやりたかったのならばRhapsody Of Fire名義でやられてもなあ、というのが正直なところです。

「ACT III: The Ancient Fires Of Har-Kuun」は15分に迫る大曲。
クワイアも健在でサビも往年の才気が感じられます。終盤には後の曲でも頻出するメロディーも登場しました。個人的にはもうちょっと短くするなり、数曲に分割するなりされた方が好みです。

今作で気に入ったのは「ACT VI: Erian’s Lost Secrets」。
ところどころ速くなったり、コーラスも結構緊迫感が出ていたりとなかなかいい内容でした。アルバム「The Frozen Tears of Angels」の曲調に近い気がします。

このほか、「ACT V: Neve Rosso Sangue」は得意の民謡調の曲で、こういうのが1曲あると疾走曲の間のアクセントになっていて毎回好きなのです。笛の音が心地よいですね。

最後は「ACT VII: The Angels’ Dark Revelation」。エンジェルズダークレベレーションとか書かれていたら、なんともスケールの大きい長尺の疾走曲をイメージするのですが、4分足らずの曲。
前半が語りで歌メロはバックコーラスのみです。半分を過ぎたあたりからは重厚なクワイアが被さってきます(ファビオはどこへ?)。

値段が2,000円を切っているのは高くはないが、安くもないなあという印象でした。ファン向け。

特に好きな曲は、
「ACT V: Neve Rosso Sangue」、「ACT VI: Erian’s Lost Secrets」