カーペ・ディエム [ ヘヴンリー ]
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点数…92
フランスのメロディックスピードメタルバンド、ヘヴンリーの5thです。
2009年のこの作品から2016年時点で長らくリリースがなく、私のように新作を待ち焦がれているクサメロファンも多いことでしょう。
メンバーチェンジが多いバンドですが、リリースがない間にまたギタリストが脱退していました。
ちなみにボーカルのベン・ソット以外はだいぶ前に総入れ替えとなっています。
前作の「Virus」がとても素晴らしい内容で、当然次作のこの「Carpe Diem」にも多大なる期待がかかっていました。
結果はその期待に見事に応えた出来栄え。
かなり満足のできる内容でした。
日本盤ボーナストラックがあってようやく10曲というのはやや少なく感じますが、1曲1曲が濃いため、通して聴いていくとお腹一杯にはなるでしょう。
「Virus」では疾走曲が多かったのに対し、今作では少しスピードは落として、コーラス重視の曲が多くなっています。
疾走曲と呼べるのは「Ashen Paradise」「Ode To Joy」あたりですね。
どちらもコーラスがいくつも重なってなんともゴージャス。
「Ode To Joy」に至っては歓喜の歌、いわゆる第九のメロディーから始まります。何考えてるのかと思いましたが、なかなか堂に入った曲の出来で、いよいよB級メタルからA級メタルへと駆け上がった感がありました。
B級メタルがこういうことをやると、ちょっとしらけそうにもなるのですが今回のはよかったと思いました。
アルバム全体の疾走度合いはさほどでもないですが、クサメロ度はさらに増しています。
特にちょっとアダルトなPVが作られた「Lost In Your Eyes」「Fullmoon」は実にクサい。
2曲とも最後のサビで転調するのですが、ベン・ソットの高音がまた気持ちよく、クサメロが高みに上っていくのを体感できます。
Heavenlyと言えばクサメロ、クサメロと言えばHeavenlyかInsaniaですからね。ありがたい。次作が待ち遠しいです。
特に好きな曲は、
「Lost In Your Eyes」、「Fullmoon」、「A Better Me」、「Ashen Paradise」、「Ode To Joy」。