点数…82
スイスのシンフォニックメタルバンド、ルナティカの2ndアルバムです。2019年時点ではバンドは存続しており新作の準備をしていたようですね。
この美しいジャケットに沿った楽曲が収録されているとすると、相当な名盤であることが期待されるわけです。
実際に透き通ったサウンドが展開されていますし、女性ボーカルのアンドレアの声も儚げでありながらもしっかり主張しています。
アルバムの象徴になりそうなのが名曲「Hymn」です。これはULTRAVOXのカバーですね。綺麗で速くて言うことなしですが、メロディーの良さは原曲ゆずりです。原曲を聴いてみると透き通った感じも儚げな模様も押し出されてはいませんので、Lunatica側がアルバムのカラーに染め上げてきたことがわかります。
彼らのオリジナルでいくと「The Neverending Story」が最も気に入りました。なかなかの速さであることと、サビのコーラスが厚いのですね。メインボーカルの影が薄くなりますが、メロディーが充実していて満足。
割といいメロディーなのがボートラを除けば最後の「A Little Moment Of Desperation」です。終盤にいきなり速くなり、演奏だけで終わるのかと思ったらサビも速くなって帰ってきて、今作でも随一のクサメロが聴けます。驚きました。もっと早くやってほしかった。
アルバムを通してキーボードが強く印象に残りまして、歌メロを食ってしまっているところがありますね。「Elements」はソロがかなり目立っています。
表題曲「Fable Of Dreams」や「The Spell」では男性ボーカルが加わっていてそこで力強さが補われています。補う必要はあるのかとも思いますが。
この透明感を作り上げるのはなかなか大変だと思いますし大きな武器かと思いました。他のシンフォニックメタルバンドとの差別化は図られています。
特に好きな曲は、
「The Neverending Story」、「Hymn」、「A Little Moment Of Desperation」。