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点数…84
スペインのメロディックスピードメタルバンド、デリリオンのデビューアルバムです。
シンフォニックな味付けがされたメロスピが中心のアルバムになっています。
いきなり日本盤がスピリチュアル・ビーストから出ており、デビュー時点で結構期待されたメロスピの新星でした。リリース当時にメンバーが20代前半ととにかく若く、順調に育てばメロスピ界隈でも独自の地位までいけたんじゃないかと思ったぐらいです。
しかし2ndアルバムの「Lotus」が出てからあまり目立った活動がなく、現在バンドが存続しているのかも不明な状態にあるようです。2016年にEPが出ていたようでしたが未聴です。
さすがに若いボーカルの素人っぽさが抜けておらず、演奏もところどころ音が薄かったりして荒削りな印象もありますが、シンフォニック寄りのサウンドにしたことで結構聴けるものに仕上がっています。キーボードは女性ですね。
序盤から疾走曲を連打してくるのでその姿勢は買いですね。1曲のバラードとインスト曲を除いてほぼ全部メロスピ。
4曲目「Return To Serenity」はサビかと思った箇所がBメロで、その後になかなかいい感じのサビが待っているという嬉しい構成。
個人的には後半の曲のメロディーが特によく、コーラスや後ろのギターなどでサビを盛り上げる「Take Me Away」、バンド名を冠した今作でも随一の速さの「Delirion」、哀愁を込めて疾走する「I Lose Control」など良曲が続きます。
最後はサビの終わりに「キャーリーオーン」とか言って先人へのリスペクトを感じさせる「Save My Soul」。
この時点でB級メロスピの枠を抜け出てはいませんが、やる気が大いに感じられるデビューアルバムでした。
特に好きな曲は、
「Return To Serenity」、「Take Me Away」、「I Lose Control」、「Save My Soul」。