Masterplan マスタープラン / Aeronautics 【CD】 |
点数…79
ジャーマンメタルバンド、マスタープランの2ndアルバムです。
この時のボーカルはヨルン・ランデ。ドラムにはウリ・カッシュもいましたがこの後のツアー後に脱退。
ヨルン・ランデが出たり入ったりしているバンドという印象があります。ウリ・カッシュはいろいろのバンドに加入していますがあまり長続きしていませんね。Ride the Skyがいつの間にか解散しているようですし、スーパーバンドのようなデビューをしたSymfoniaは1作で消えました。
それはともかく今作、正統派バンドに近づいたような印象があります。
その象徴のような楽曲が、先行シングルだったミドルテンポの「Back For My Life」。
ズンズンとした鋼鉄をまとって進んでいくような楽曲です。前作の「Heroes」のようなキャッチーさは特になく、何度か聴いていくと味のある曲であることはわかるのですが、全編通してこのタイプの曲が並んでいたならば少々私としては辛いアルバムになっていたと思います。
全体的に演奏もベテランのメタルバンドらしく重厚さがよく出ており、かなりかっちりと堅いです。
ヨルン・ランデのボーカルも前作同様、よく声が出ていて腕前は折り紙つき。
メロスピ曲でなくとも曲の良さを引き出せるボーカリストです。
あまりメロスピ曲が多くないアルバムですが、3曲目の「Wounds」、4曲目の「I’m Not Afraid」がアップテンポでなかなかいいメロディーでした。次の「Headbanger’s Ballroom」も合わせて今作の個人的なハイライト。
終盤の「Falling Sparrow」も速いですね。歌メロがそれほど好みではありませんがこちらはギターの速弾きが聴きどころ。
ボーナストラックを除けば最後となる「Black In The Burn」も比較的速いのですがなんと10分近くもあります。
あまりテンポが遅くなったりというのが目立つわけでもなく、ほとんどずっと速いですね。サビのメロディにはさほどクサさはないものの良メロではあります。
ヨルン・ランデの出しやすい音域なのかかなり歌唱に安定感があります。
メロスピ好きの私からするとやや物足りない感がありましたが、正統派もいける方からすると結構な好盤となるのではないでしょうか。
好きな曲は、
「Wounds」、「I’m Not Afraid」。