Skyscraper「T.V.Lization」

点数…87

ブラジルのメロディックスピードメタルバンド、スカイスクレイパーの1stアルバムです。

SOUNDHOLICから日本盤が出ていましたので、レーベル解散の現在は入手するとしたら中古となりそうですね。

ブラジルからは結構良質なメロスピバンドが出ているのですが、1、2枚で消えてしまうパターンが多い印象です。
このSkyscraperも完成度の高いアルバムで日本で鮮烈デビューしたわけですが、この1枚以降はよくわかりません。
Metal Archivesによると解散状態となっていて残念です。
同じくブラジルのバンドであるWizardsで活動しているメンバーもいます。

さてこのアルバムですが、ブラジル産らしい陽気さも加えたキャッチーなメロディーが目立つメロスピです。
スピードだけならばもっと速いバンドはたくさんありますが、メロディーの質はかなりのもので親しみやすいメロディーが次から次へと出てきます。

ボーカルは線が細めですが高音はよく出ています。アンドレ・マトスのようなクリーンな発声で結構うまく歌いこなしていますね。
サビやBメロでは厚めのコーラスが加わってくるところも多く、各楽曲のクオリティも高いです。

冒頭から「Awaken Night」「Over Ruled」と良曲が続きます。
「Awaken Night」はなかなか速めの曲。サビを皆でシンガロングしていて一発で気に入りました。ドラムのパタパタした感じが楽しいですね。

「Over Ruled」は最後の転調がクサさを増していて何度も聴きたくなる中毒性があります。最後のサビの裏でボーカルがかなりの高音を出しているのも聴き逃せません。
後の方の「Great Dead Singer」という曲でもサビの後ろでボーカルが高音を後ろで歌い叫んでいますし、このバンドはこういうのが好きなのかもしれません。

「Forever Under Lies」もクサいです。Bメロからしてサビ並みのクサさで、というかBメロでなくてサビが長いだけかもしれません。後ろで鳴っているキーボードもメロスピっぽいドラマチックさを加えています。
「Insane」も強力ですね。イントロからの楽器の一体感ある演奏が期待感を相当高めてくれます。異色のBメロから明るいCメロ(?)へと入っていきそしてサビへと行く構成は珍しいです。Insane=ヤバいという感じが出ている気がして好ましい一曲。

なかなかの名盤ですので、中古屋で見かけたらチェックしてみるといいかもしれません。

特に好きな曲は、
「Awaken Night」、「Over Ruled」、「Forever Under Lies」、「Insane」