Knights of Round「The Book of Awakening」

点数…93

日本のメロディック・スピードメタルバンド、ナイツ・オブ・ラウンドの2ndアルバムです。

同人での活動からメジャーデビューして羽ばたいたバンドで、日本のメロスピの中でもかなり良質バンドだと思っています。
Dragon Guardian と組んでの「桜牙」での活動も記憶に新しいところですね。

ギターのYAZIN氏を中心に結成され、ジャケットの絵からもわかるとおりファンタジックな世界観からメロスピを繰り出しています。
ファンタジーとメロスピは親和性高いですからね。これは昔から変わりません。

ボーカルの声質がややくぐもったような独特なものなので、人によっては気になるかもしれませんが、個人的にはクサメロの増幅に向いている声質のようにも思えて気になりません。
ちなみに今作は全編英詩であり、たまになんて歌っているのかわからなくなります。

さて内容ですが、メロスピの良曲がかなり詰まっている好盤です。彼らのアルバムを初めて買ったのが今作でしたが、これほどとは思っていませんでした。予想を大きく超えています。
短いインスト曲で盛り上げてからなのはお約束として、アルバムの中のメロスピ曲の割合は半分を超えており、しかもメロディがとにかくクサいという点に驚かされました。

日本のメロスピバンドはとんでもないクサメロを混ぜ込んでくることが多い気がしています。
こちらのKnights of Roundのクサメロ率もかなり高いと言っていいのではないでしょうか。

例えば「Phoenix Rising」という曲のクサさは連続で聴き続けても全く飽きない中毒性でした。
サビで「feeling the winds~♪」のウィ~ィ~ィ~ンって感じで伸ばすところでメロディーが変わっていく箇所がクサメロの秘訣かとも思いますが、以降のメロディもクサさに次ぐクサさで、さらに最後には転調もしちゃうというサービス精神。素晴らしいです。

2曲目の「Time To Go」は目の前が明るくなるような力強い陽の曲。「If nobody can believe it~♪」のビリィィィブイッと伸ばしながらメロディーが変わるのがやはり私の好物です。
続く「Fairy Song」は凱旋のような華やかさもある楽曲で、「Soldier Of Sadness」は一転して悲壮感が漂うメロスピ。ハイトーンも魅力の一つですね。

中盤以降は前述の「Phoenix Rising」に加え、どこかヨーロッパのメタルでありそうな美メロの「Reborn」、攻撃的なクサメロの繰り返しが魅力の「Follow Me」と、魅力的な楽曲がまだまだ出てきます。
最後は気合いの入った「The Truth (grand finale)」。エンドロールが流れそうな、締めにピッタリな良メロで、この曲が入るとしたらこの位置しかないですね。

ということでよい曲目白押しのアルバムでした。クサメロを求めている方には特におススメできます。

特に好きな曲は、
「Time To Go」、「Fairy Song」、「Phoenix Rising」、「The Truth (grand finale)」