Luca Turilli「The Infinite Wonders of Creation」

点数…77

Rhapsodyのギタリスト、ルカ・トゥリッリによるソロプロジェクトの3rdアルバムです。

2ndの「Prophet Of The Last Eclipse」が近未来的シンフォニックメタルとして素晴らしい内容でしたが、それから2年後の今作は、大きく路線変更した内容でした。

大仰でスピード感のあるシンフォニックメタルが魅力でありながら、まずスピード感がほとんどなくなっています。

たまたまミドルテンポの曲だったのだろう、次は速い曲だろうと思って曲を進めて行っても、一向に疾走曲には行き当たりません。そういうアルバムなのですね。

サシャ・ピートやロバート・ヒューネケといったおなじみのメンバーは健在ですが、ボーカルはこれまでのオラフ・ヘイヤーと、女性ボーカルのブリジット・フォーゲルの2人体制と変わりました。

ハッキリ言うと女性ボーカルがメインで、オラフの出番は少なくなっています。
私はオラフのボーカルが結構好きでしたので、出番が削られたようでやや悲しいですね。ブリジット・フォーゲルも上手いんですけれど、特に女性ボーカルだからよくなったとは思いませんでした。

近い時期にLuca Turilli’s Dreamquestとして「Lost Horizons」をリリースしていますが、そちらもミドルテンポ中心かつ女性ボーカルで、どうもこの時期は転換の時期だったのかもしれません。

そして何より残念なのが、クワイアの減少です。
全くないわけではなく、「Silver Moon」や「Cosmic Revelation」など分厚いクワイアが入ってくる曲もあります。
しかしどちらもミドルテンポの楽曲です。

ルカソロやRhapsodyで得られていた、疾走感とクワイアが一体化して突進するような高揚感は今作ではさほど感じる事ができません。

ボーナストラック以外で最後を飾る「The Infinite Wonders of Creation」は例によって8分越えの大曲。クワイアも入ってきますがずっと落ち着いたテンポで、いつ盛り上がるのか待っていたら曲が終わってしまいました。

「The Miracle Of Life」はそこそこスピードもあって、オラフ中心で、女性ボーカルがハモってくるという曲ですので割と他の曲よりは受け入れやすかった印象です。

結局ルカソロはここで区切りとなります。
Rhapsody Of Fireを脱退後のLuca Turilli’s Rhapsodyにて再びルカのシンフォニックメタルが帰ってきますが、それは結構後のことです。

好きな曲は、
「The Miracle Of Life」、「Cosmic Revelation」