Phoenix Rising「MMX II」

点数…86

スペインのメロディックスピードメタルバンド、フェニックス・ライジングの1stアルバムです。

元のバンド名がQuinta Enmiendaだったり、別名義がFire & Ashesだったりと、複雑な変遷があったようですが、メロスピっぽいバンド名に落ち着きました。

このバンド名ではデビュー作なのですが、さっそく日本盤が出ていました。好事家の間でこれはクサメタルだということで話題にもなっていたのが記憶に新しいところです。ジャケからしてクサそうで期待大ですよね。

大半が疾走曲の好盤で、シンフォニックなアレンジや、クワイアも所々入っているなど私の好きな要素が多いです。
サビの後ろでストリングスが流れてくる「Fury and Rage」など、こういうのがあると曲の格式が増して聴こえるので、どんどんやってほしいと思います。

ボーカルはどうしても歌い方からB級っぽさを感じてしまうところはあれど、曲の良さとアレンジは十分なクオリティであると言えます。
クサメロを求めてB級メタルを聴きまくってきた方ならば受け入れられるでしょう。

中盤以降のやけくそのように繋がるサビのメロディーが魅力の「Abaddon」や、クサさが随一の「Lost Souls」など聴きどころです。

スペインのバンドだけあって、今回の曲が全編スペイン語で歌われたバージョンもあるようですが、さすがに日本盤では英語で歌っています。

スペイン語バージョンは日本盤ボーナストラックとして2曲収録されています。スペイン語で歌われた方が、独特のイントネーションと相まってクサさが増すということもあるかもしれません。

また、Blind Guardianのカバー曲「Valhalla」もボーナストラックで入っており、これはなかなか原曲に忠実なカバー。原曲がかなりの名曲でしたが、それを壊すことなくカバーされていますね。

特に好きな曲は、
「Agoraphobia」、「Abaddon」、「Lost Souls」、「Valhalla」。