Majestic「Abstract Symphony」

点数…87

スウェーデンのネオクラシカルメタルバンド、マジェスティックの1stアルバムです。

バンドの中心人物は「鍵盤魔人」と呼ばれることもあるキーボーディストのリチャード・アンダーソン。なんか懐かしい名前のような気さえしてしまいます。
彼はTime RequiemやSpace Odysseyといったバンドでも中心にやっていまして、2000年代のメタル界隈ではかなりよく名前を聞いたものですが、最近の活動がよくわからないのが寂しいところです。

このMajesticはアルバム2枚を残して解散状態。本作のボーカルはこの後Reptilianでも活躍するヨナス・ブルグ。ちなみにアルバム2作目はアポロ・パパサナシオにボーカルが変わっています。

ネオクラ系でキーボードが中心ということでちょっと音の予想が付くかもしれませんが、本作でも至る所でキーボードが小気味よくピロピロと鳴っています。

速さとしては2曲目の「Golden Sea」がいいですね。歌メロも「ア~ア~ア~イ」「シ~~イイイ~」といった感じで音程の変化が多く、これがクサさに拍車をかけています。

「Crimson Sun」もなかなかの速さで、歌メロもそこそこながらこちらはむしろ終盤のクラシカルな演奏部分に圧倒されます。こうした演奏が好きな方はタイトル曲の「Abstract Symphony」や1曲目の「Medieval Nights」もいけるでしょう。
「Nitro Pitbull」のようなタイトルからして速そうで実際に速い曲もありますね。歌メロが少ない感じもしますが。

中でも最高クラスのクサメロが用意されているのが「Black Moon Rising」。こちらは速さとしては普通ぐらいなのですがサビがとにかくクサい。
私がクサメロというのを考えるときに、一般的な洗練された曲とは一線を画すようなほんの少しのダサさみたいなものを内包していれば加点ポイントなのですが、まさにそういった曲と言えます。とんでもないクサさです。サビを何回聞いても飽きない強烈な内容でした。

ネオクラとメロスピは必ずしも同居していないアルバムも多いのですが、本作はかなりの速さを持つ楽曲もあり、メロスピ好きでも受け入れやすいかと思います。少なくともTime Requiemほどプログレっぽくはないので聞きやすいというのが個人的な感想ですね。

特に好きな曲は、
「Golden Sea」、「Crimson Sun」、「Black Moon Rising」