Stratovarius「Elements Pt. 1」

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【中古】エレメンツ・パート1/ストラトヴァリウス
価格:780円(税込、送料別) (2018/11/20時点)

点数…92

フィンランドのメロディックスピードメタルバンド、ストラトヴァリウスの9thアルバムです。

Stratovariusのアルバムで一番の傑作を選ぼうと考えると、個人的には「Visions」か「Infinite」か、この「Elements Pt. 1」の3択になります。そんな中でも今回の「Elements Pt. 1」に軍配を上げたいと思います。曲ならば「Visions」収録の「Forever Free」が好きですし、曲が粒ぞろいの「Infinite」もいいのですがやはり今作が気に入りました。
スローな長尺曲が多いのはメロスピ好きからするとやや悩ましいところです。ボーナストラック入れて全10曲ですが7分越えの曲が4曲。6分から7分の間が2曲と、1曲辺りが長めです。疾走曲自体は半分ほどですが粒ぞろいと言えます。後述しますが癒しのバラード曲も素晴らしいのでかなり印象のいい1枚です。

今作の代名詞ともいえるのが1曲目の「Eagleheart」。イントロからサビのメロディーが使われているので非常に覚えやすく、普遍的に人気が出そうな曲です。

むしろ最も注目すべきが3曲目の「Find Your Own Voice」。荘厳なイントロから爆裂疾走を開始すると気分が高まってきます。この曲はサビにおいてとんでもなく高いキーが連続するという、コティペルト受難のような曲です。タイトルも意味深ですし。しかしそのコティペルトの頑張りがそのまま曲の評価に直結した名曲です。後ろのキーボードがテレレレレと言っているのも美しく盛り上げてくれます。間奏でもまた美麗。

5曲目「Learning To Fly」はオーソドックスなストラトの疾走曲という印象です。前向きな歌詞と爽やかなサビがいいですね。最後の転調も聴きどころ。コーラスも厚めですし、これまでストラトの疾走曲に求めてきた要素が一通り入っている優等生な曲。

「Stratofortress」は「Strato」を冠したインスト曲。ギターとキーボードの技量比べであるかのような高速プレイを堪能できる疾走曲です。

そして終盤の癒しの2曲がまたいいんです。おそらくこの2曲があるから、私はこのアルバムを特に気に入っているのですね。
ティモ・トルキ自身がセラピーを受けたりしていたとのことで、その経験が生きたのか、聴いているリスナーも癒しを感じられる曲調で、私も仕事帰りに車の中で聴いていました。「A Drop In The Ocean」はメロディーの素晴らしさや歌詞の良さもさることながら後ろで鳴っているストリングスが最高です。どこへ行くのかわからないようなAメロBメロから、一気に目の前が開けたように涼やかなサビへ導かれる流れがたまりません。曲が終わった後も波の音で癒されましょう。

明るい海のようだった全曲が終わり、「Into Deep Blue」に移行していきます。こちらはボーナストラックなのですが本編と遜色ないぐらいの充実した内容。タイトル通り深海を思わせるようなダウナー系の曲調ですが、疲れている時にはこういう沈みがちな曲の方が安らげるもの。途中からやや激しくなりますが、終盤は口笛が登場するという珍しい展開。

1曲辺りの思い入れが結構あって長くなってしまったのですが、Stratovariusの静と動を楽しめる1枚でもありお勧めできます。

特に好きな曲は、
「Eagleheart」、「Find Your Own Voice」、「Learning To Fly」、「A Drop In The Ocean」、「Into Deep Blue」