ワン・オヴ・ア・カインド [ キリング・タッチ ]
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点数…76
イタリアのパワーメタルバンド、キリング・タッチの1stアルバムです。
1stといいつつも2nd以降が出た様子がないために、実質1作のみで消えたバンド状態です。
metal-archives.comでは、時期は不明ですが解散状態とされています。早いですね。
活動していた時のメンバーですが、まずボーカルがあのミケーレ・ルッピということで話題を集めました。
Vision Divineでファビオの後任ボーカルとして凄まじい歌唱力でメタラーの度肝を抜いた頃が思い出されます。
Secret Sphereのボーカルとして来日したのも記憶に新しいところですね。
近年はWhitesnakeのキーボードも担当しているという、マルチな才能でもありました。
他はAbsynth AuraやArthemisでも活動実績があるメンバーが多いですね。メロスピかゴシックか。
さて、この1stですが演奏はわかりやすいメロディック・パワーメタルです。
速い曲が多いのが個人的には意外でした。
ミケーレ・ルッピの歌を聴けという感じでミドルテンポで歌をじっくり聴かせる構成かと思っていたので。
全体的には6分前後の曲が多いのですが、大作志向という感じはさほどせず、削らなかったら6分越えになったというような印象です。
ルッピの歌唱は期待通りで、高音が安定して出ています。
ルッピと言えばまず高音という気もしますし、彼のボーカルを堪能したいという方は本作を押さえておいてよいと思います。
やはりルッピの声が前面に来るように考えているのか、コーラスもハモリ程度で分厚いわけではありません。
「Walls Of Sympathy」のバックコーラスぐらいがちょうどいいですね。
曲のメロディーはそれなりに流麗ではありますが、クサさはそれほど感じません。
洗練されたメタルですので一般受け方向を向いてはいるものの、クサさを求めるメロスパーにとっては少し物足りなさを感じる作品かも。
好きな曲は、
「Wheel Of Fortune」、「Falling Away」。