Heimdall「the Temple of Theil」

点数…69

イタリアのメロディックスピードメタルバンド、ヘイムダールの2ndアルバムです。

2000年ごろからメロスピを聴いていた方の中には、「ボーカルがひどいバンド」として印象に残っていたりする人もいるのではないでしょうか。
実際にひどいですよ。といっても、このひどいボーカルは2ndまでで、3rdからは別の人がボーカルを務めているそうでした。私は未聴ですが。

音程というか、声に音が乗ってるのかどうかよくわからない歌い方です。のっぺりとしたこもった声なのは本人のせいではないのでしょうが、ボーカル向きかといわれると少し疑問です。メンバーの他の人はこのボーカルの彼よりも歌えないのでしょうか。

さて、楽曲はそれほど悪くありません。速い曲も多いのですよ。
シンフォニックな箇所もありますし、コーラスも厚めです。何より各曲のイントロが格好いいのです。
自分のiTunesで全楽曲のランダム再生しているときに、おっと思えるイントロが流れてきたと思うことは確かにありました。歌が入ったとたんに、なんだHeimdallじゃねえかと、楽しい気持ちになったりもします。

2曲目の「Follow the Signs」は割と好印象の曲でもあります。Bメロがちょっとクサくていいんですよね。あとボーカル、高音を出している時はそれほど下手に聴こえません。ファルセット多めにしたらよかったのでしょうか。
続く「Secret of Time」はイントロが終わってからの落差が持ち味。サビの「カーアーアー」って叫んでいるところが頭にこびりつきますね。

タイトル曲である「the Temple of Theil」は、途中で女性ボーカルがゲストで参加しています。助っ人でしょうか。
ですがこの女性ボーカルも全然うまくない。むしろ帰ってくれって感じです。大勢で歌っているコーラスはそれなりによく聴こえるのですが、語尾の辺りにボーカルの声がちょっと現れたりしてガクッとなります。

「Spirits of Skyward」はこのアルバムで最も好きですね。イントロからキーボードがメロディアスで、さらにコーラスが響いて盛り上げてくれます。勇壮なイントロに続いて野卑なボーカルが入ってきますが、個人的には特に問題ありません。
Bメロの時点でサビと間違うぐらいのクサメロが入り込んでおり、おかしなメロディーからサビへ移行。このサビが力強くてまたいいんですよ。最初と2回目のサビは短いのですが、最後のサビは転調も入れてきて気持ちよく仕上がっています。

この時点でボーカルがうまい人だったならば、今頃もっと高い位置にいられたかもしれないバンドだと思います。

好きな曲は、
「Follow the Signs」、「Spirits of Skyward」